GPUの威力 2018 2 4

 GPU(グラフィックカード)は、
今や、ゲーム用ではなく、
AIコンピューターの心臓部になっていると書きましたが、
どれほどGPUがすごいのかについて、
中島能知氏の著書によると、
「NVIDIAの『GeForce GTX 1080 Ti』の演算能力は、
11テラFLOPSに達します。
 20年ほど前に、
600億円かけて開発された初代の地球シミュレータは40テラFLOPS。
これは、最新のGPUの4つ分程度(約50万円)です」とあります。
 「GeForce」といえば、
パソコンゲームの愛好家には、有名なブランド名でしょう。
 パソコンでゲームをするならば、
グラフィックボードのGeForceを手に入れる必要があると言われたものです。
 それが、今や、GPUは、AIコンピューターの必須アイテムになっているとは、
「時代の流れが早い」と言えるでしょう。
 ソフマップドットコムで調べてみると、
「GeForce」のグラフィックカードは、
安いものは2万円程度から、高いものは7万円程度でした。
最新型から旧モデルまであるということでしょう。
(「1080 Ti」は、12万円でした)
 なぜ、グラフィックカードという部品が、
ソフマップドットコムで売られているかというと、
デスクトップパソコンでは、後から、
グラフィックカードを買ってきて、
増設(補強)することができるからです。
(ただし、市販のパソコンでは、電源の容量を超える可能性があります)
 おそらく、市販のパソコンは、
ゲーム用パソコンでない限り、
グラフィックカードは付属していないと思います。
 もちろん、パソコンでインターネットを見たり、
ワードやエクセルに使うのには、グラフィックカードは不要です。
 しかし、パソコンで、
AIコンピューティングをやってみたいとなると、
グラフィックカードは必要になってきます。
 今、AIコンピューティングで先頭を走っているのはアメリカで、
それを猛烈に追いかけているのは、中国です。
日本は、出遅れた観があります。
 2017年は、日本の国会は、「モリ・カケ問題」で終わってしまいました。
日本の国会議員は、科学技術を全く理解できません。
相変わらず、「昭和の時代」を生きています。
時間が1980年代で止まっているのです。
 今となっては、日本の国会は、完全に時代から取り残されて、
「世界遺産」や「文化遺産」の対象となりつつあります。
 日本の国会が文化遺産になるのを追いかけるように、
日本という国全体が、文化遺産になりつつあります。

GPUの時代 2017 7 17 Marine Day
「まさかゲーム部品がAIの主役になるなんて」
 GPUとは、パソコンのCPUと似ていますが、全く別のものです。
話せば長くなりますが、
順番に、時系列に書いていきます。
 パソコンで、計算やワープロをしている時は、
CPUで十分だったのです。
 ところが、パソコンでゲームや動画を楽しむようになると、
CPUに大きな負担がかかるようになったのです。
 そこで、CPUは、計算処理に専念して、
画像処理は、画像処理専門の半導体に担当させるようになったのです。
その半導体が、Graphics Processing Unit(GPU)です。
 昔は、パソコンでゲームや動画を楽しみたい愛好家は、
競い合うように、NVIDIAなどのGPU(グラフィック・ボード)を買い求めたものでした。
 パソコン愛好家は、一時期は、CPUの性能に熱狂していましたが、
やがて、CPUではなく、GPUの性能に熱狂するようになったのです。
 強力なGPUがあれば、3Dゲームや動画が、
鮮明に、あるいは滑らかに表現できるからです。
 そういうわけで、いつの間にか、
パソコン愛好家の間では、CPUの時代から、GPUの時代になったのです。
 ところが、今や、AIコンピューターにも、
CPUではなく、GPUが使われるようになったのです。
 AIコンピューターでゲームをするのか。
いや、違います。
GPUがAIコンピューターに最適だとわかったのです。
 本来、画像処理用に作られたGPUが、
機械学習やディープラーニングで象徴される、
AIコンピューターの心臓部に最適だとわかったのです。
 そういうわけで、NVIDIAは、
ゲーム部品の会社から、AIコンピューターの主役になったのです。
 つまり、時代は、CPUコンピューティングではなく、
GPUコンピューティングの時代になったのです。
 このままでは、コンピューティングの主役は、GPUであり、
CPUは、オマケのような存在になってしまうかもしれません。
 さて、CPUとGPUの構造的な違いは、コアの数です。
一般的なCPUでは、コアの数が4から8ぐらいだと思いますが、
GPUにおいては、数千になります。
 もちろん、こんなにコアが多いと、大きな熱を発生させます。
そういうわけで、CPUよりも、GPUの方が熱の発生量は大きいのです。
 そもそも、GPUは、3Dゲームや動画を楽しむために開発された専用半導体であり、
CPUのように、何でもできる汎用の半導体ではありませんでした。
 ところが、GPUが高性能化してくると、
汎用という分野でも、最初から汎用に設計されたCPUを上回るようになり、
GPUが、CPUのような仕事も引き受けるようになったのです。
これを「GPGPU(General-purpose computing on GPU)」と言います。





































































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